うつ病生活保護受給者のミニマルライフ

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メンヘラナマポおじさんの健康で文化的な最低限度の生活

ケリーマクゴニガル著「スタンフォードの自分を変える教室」を読みました

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ケリーマクゴニガルさんの「スタンフォードの自分を変える教室」を読みました。

 

第一のルール「汝を知れ」

自己認識などわけがないと思うかもしれませんが、心理学者なら知っている通り、私たちはほとんどの選択を無意識に行っており、何故そうするのかという理由などろくに認識してもいなければ、どういう結果を招くかなど考えもしません。

それどころか、選択を行っている自覚もないこともしょっちゅうです。ある研究は、参加者に、「食べ物に関する決断を一日に何回くらい行っていると思いますか」とたずねました。あなたは何回くらいだと思いますか?

実験における回答は、平均で14回でした。しかし、今度は同じ人たちに実際に記録をとってもらったところ、結果は平均で227回にもなったのです。つまり、この人たちは200回以上もの選択を無意識に行っていたことになります。しかも、食べ物に関する選択だけでこれほどの数なのです。ですから、コントロールすべきことを認識すらしていなかったら、自己コントロールなどできるはずがありません。

 

呼吸を遅らせれば自制心を発揮できる

この本にはあまり手っ取り早い解決法は出てきませんが、意志力をてきめんに高める方法があります。それは、呼吸のペースを1分間に4回から6回までに抑えること。

これだと10秒から15秒で一呼吸することになるので、普通に呼吸するよりもだいぶゆっくりですが、少し辛抱強く練習すればたいして難しくはありません。

呼吸のペースを遅くすると前頭前皮質が活性化し、心拍変動も上昇します。

これが、脳と体をストレス状態から自制心を発揮できる状態に切り替えるのに役立つのです。このテクニックを数分間試すうちに、気分が落ち着いてコントロールが利くようになり、欲求や問題に対処する余裕が生まれます。

(中略)

ある研究では、薬物乱用や心的外傷後ストレス障害ptsd)の元患者たちが、ゆっくりと呼吸をする練習を毎日20分間行ったところ、心拍変動が上昇し、欲求や憂鬱が緩和されることがわかりました。心拍変動のトレーニングプログラムは、警官や証券トレーダーや顧客サービス窓口のオペレーターなど、最もストレスの多い職業の人々を対象に、自己コントロールの向上やストレスの緩和を目的に実施されているほどです。

たったの1、2分、ゆっくりと呼吸するだけで意志力の保有量が増えるのですから、意志力が試される問題に直面したときは、いつでも試してみるとよいでしょう。

 

「運動」すれば脳が大きくなる

参加者の喫煙や飲酒、カフェイン摂取量が減少していたのです。そんなことは要求されていなかったのですから不思議なことでした。また、彼らはあまりジャンクフードを食べなくなり、もっと健康的なものを食べるようになりました。テレビを観る時間が減って勉強する時間が増えました。さらに、衝動買いが減って貯金が増えました。

参加者らは以前よりも感情をうまくコントロールできるようになりました。物事を先延ばしにすることも減り、約束の時間にも遅れないようになりました。

いったいその奇跡のような薬はなんなのでしょう?どこに行けば手に入るのでしょうか?

 

その治療とは、薬ではありませんでした。意志力の奇跡は、運動によってもたらされたのです。

どの参加者もこの治療を始めるまでは、定期的にエクササイズをした経験はありませんでした。そんな彼らにジムの会員証が無料で配布され、できるだけ多く利用するように勧められたのです。

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「6時間未満の睡眠」が脳を弱くする

中でも取り分けエネルギーを消費する前頭前皮質は、このエネルギー危機をもろに受けます。睡眠の研究者はこの状態を「軽度の前頭前野機能障害」などと呼んでいるほどです。睡眠不足の状態で目を覚ますと、一時的に脳に障害を負ったような状態になります。研究によれば、睡眠不足が脳に与える影響は、軽度の酩酊状態と同じであることがわかりました。これでは自己コントロールなど到底望めません。

前頭前皮質に障害が起きると、脳の他の領域に対するコントロールが失われます。通常であれば、前頭前皮質は脳の警報システムの過剰な働きを抑え、ストレスや欲求に対処しやすくします。しかし一晩寝ないでいると、これら二つの脳の領域の連絡が途絶えてしまうのです。歯止めの利かなくなった警報システムは、普通の日常的なストレスにも過敏に反応するようになります。

体が闘争逃走反応の生理状態のままになり、その結果、ストレスホルモンのレベルが高くなり、自制が利かなくなってしまうのです。

しかし幸い、この状態は元に戻すことができます。睡眠不足の人でもちゃんと睡眠をとったあとは、脳をスキャンしても前頭前皮質のどこにも障害は見られなくなります。それどころか、普段からよく眠っている人の脳とまったく変わらないように見えるほどです。

依存症の研究者たちは、薬物乱用の治療に睡眠治療を使い始めました。

ある研究では、呼吸に意識を集中させる瞑想を一日に5分間行った場合、元依存症患者が眠りやすくなることがわかりました。これを1時間行った場合は、質のよい睡眠がとれるようになり、その結果、薬物使用の再発リスクが著しく低下しました。

そんなわけで、意志力アップのためには、さっさと眠ることにしましょう。

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疲れていると抵抗できない

自己コントロールの科学によって明かされた厳然たる、気がかりな研究結果。

それは、人は意志力を使っているうちに「使い果たしてしまう」ということです。

たとえば、24時間禁煙した喫煙者は、アイスクリームをドカ食いする確率が高くなります。大好きなカクテルを我慢した人は、持久力のテストで体力が落ちているのがわかります。もっとも穏やかならぬ例としては、ダイエットをしている人は浮気をしやすくなること。意志力を使い果たしてしまうと、人は誘惑に対して無抵抗な状態か、もしくはかなり弱い状態になってしまうのです。

この研究結果は、あなたの意志力のチャレンジにとっても重要な意味を持っています。現代生活は自制心を要することばかりですから、意志力など簡単に使い果たしてしまいそうです。

研究結果によれば、自制心がもっとも強いのは朝で、そのあとは時間が経つに連れて衰えてきます。ですから、ようやくひと息ついて自分にとって大事なことをしようと思う頃には仕事のあとにジムに行くとか、大きなプロジェクトに取り組むとか、子供たちがソファに落書きをしても切れないようにするとか、いざというときのための引き出しのタバコには手をつけないでおくとか、意志力などこれっぽっちも残っていません。

また、一度にあまり多くのことをコントロールしたり変えようとしたりすれば、やはり、意志力を使い果たしてしまうでしょう。それはあなたのせいではなく、意志力の性質のせいなのです。

 

甘いものが「自己コントロール」を回復させる

血糖値が低いと、難しいテストを投げ出したり、期限が悪くなって他人に当たり散らしたりするなど、さまざまな意志力の問題が生じることがわかりました。

現在、トルコのジルベ大学で教授を務めるゲイリオットの研究によれば、血糖値が低い人は固定観念にとらわれる傾向があり、また、チャリティーに寄付をしたり他人を助けたりすることがあまりないことがわかりました。

まるで、エネルギーが足りなくなると、最悪の自分になってしまうかのようです。これとは対照的に、血糖値を上げる飲み物を与えられた人たちは、最高の自分を取り戻すことができました。つまり、粘り強く、衝動に流されず、考え深く、思いやりのある自分になれたのです。

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脳が勝手に「やるべき目標」を切り替える

長期的な目標に対して進捗が見られると、あなたの脳は長期的な目標に向かってあなたを駆り立てていた精神機能のスイッチを切り替え、まだ達成されていない目標へ注意を向けさせます。すると自分を甘やかそうとする囁きが聞こえてきます。心理学者はこれを「欲求の解放」と呼んでいます。自己コントロールによっておさえつけられていた欲求が高まり、少しでも欲求を感じると抑えがたくなってしまいます。

分かりやすく言えば、一歩前進して二歩下がるということ。例えば退職後のための投資プログラムを始めると、「貯蓄をしたい」という願いが満たされる一方で、今度は「買い物をしたい」という欲求が頭をもたげてきます。

 

人には「明日はもっとできる」と考える習性がある

私たちは先のことを考えるとき、きっと今と同じように雑用に終われて忙しいとは思いません。そのため、今日はやりたくないことでも、あとになればきっと時間も余力もあってできるはずだと思ってしまいます。そんなわけで、当然のように後回しにして、遅れた分は後で充分取り戻せるだろう、とのんきに構えてしまうのです。

このような心理的傾向は、揺るがしがたいほどです。実験では、参加者にもっと現実的な予想をたててもらいたいと思い、何名かの参加者にはわざわざ「理想的な予想ではなく、自分自身の行動をできるだけ現実的に考えて予想してください」と前もって指示を与えました。

ところが、そのような指示を受けた人たちの回答はさらに楽観的で、もっとも多い回数を予想したのです。そこで教授らはこの人たちに現実を把握させるべく、2週間後、実際にエクササイズを行った回数を研究室で報告してもらうことにしました。すると、報告された実際の回数は、やはり予想を下回っていました。参加者は理想的な数字を予想したにも関わらず、その後の2週間も相変わらずの生活を送っていたからです。

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目新しいものほど「報酬システム」を刺激する

脳の報酬システムは、目新しいものや変化に富んだものに反応します。ドーパミン神経細胞は、見慣れた報酬にはあまり反応しなくなるのです。毎日飲んでいるモカラテや、定番のスペシャルランチなど大好物であっても、です。スターバックスやファーストフードのジャックインザボックスのような店が、通常のメニューに加えてつねに新商品を投入しているのも、偶然ではありません。

 

本能を操作誘導する人たち

「一点買えばもう一点無料」作戦や、「60%オフ」の赤札まで、お買い得なものはなんでもドーパミンの大量放出を招きます。特に威力が抜群なのが、ディスカウントショップの値札。バカ高い「希望小売価格」のすぐとなりに安い売値が表示されています。

アマゾンはこの効果を知りつくし、したたかに利用していますが、あなたの脳は速やかに差額を計算し、その分儲かったかのように感じてしまうのです。

「999ドルの品物が44.99ドル?うわっ、ボロ儲け!」いったい何に使うのか見当もつかなくても、さっさと買い物カートに入れてしまいます!

 

ドーパミンを刺激する「戦略」を見抜く

それに気づいた受講生たちは、みんな口を揃えたように自信がついたと言います。トリックを見抜くのが楽しいのです。それに買い物をしていても以前は腑に落ちなかった謎が解けるようになります。お店で見たときはすごく素敵に見えた品物が、家に帰ってみると何故つまらないものに見えるのか。それは判断を狂わせたドーパミンが消え失せたからです。

 

「やる力」とドーパミンを結びつける

受講生たちは、音楽やファッション誌やテレビなど色々なものを利用して、ずっと先延ばしにしていた用事をドーパミン化しました。面倒な書類をお気に入りのカフェに持っていき、ホットチョコレートを飲みながら片付けた人もいます。

もし、あなたも面倒でやりたくないと思っていたことがあるなら、ドーパミン神経細胞を活性化させる何かと結びつけ、やる気を起こしてはいかがでしょう。

 

脳内物質に操られて破滅的な行動をし続ける

一心不乱に欲しいものを求め続け、それを手に入れるためなら努力を惜しまず、苦痛さえもいとわないようなとき、私たちはそれほどまでに欲しいものが実際手に入ったら、きっと幸せになれると思い込んでいます。気がつけばいつもチョコバーや新しいキッチン用品を衝動買いしたり、お酒のお代わりを注文したり、新しいパートナー、もっといい仕事、もっと儲かる株……そうやって際限なく追い求めてるうちに疲れきってしまいます。

報酬への期待があまりにも強烈なせいで、私たちは少しも楽しくないのに欲しいものを求め続け、満足をもたらすどころか、悲惨な結果を招くものを消費し続けます。ドーパミンの主な働きは報酬を追い求めることですから、ストップ信号を出すことなどありえません。例えその報酬が期待外れだとわかっても、やめようとしないのです。

(中略)

とはいえ、多くの研究が証明している通り、そのようなまやかしの報酬を追い求めた虚しい経験に注意を払うようになると、呪文は解け始めます。脳が報酬に期待するもの、嬉しさ、喜び、満足、悲しみやストレスへの終止符などと、脳が実際に経験するものと一致させるように仕向けると、あなたの脳はとうとう期待の方を調整するようになります。

 

快感の誘惑に負けてみる

わざと誘惑に身をさらして、報酬への期待を感じてみましょう。これをすれば楽しい気持ちになれると思い込んでいるせいで、つい負けてしまうような誘惑です。授業でよく出てくる例としては、スナック菓子やショッピング、テレビ、eメールやポーカーゲーム、ネット上のさまざまな暇潰しなど。敢えてそういうものを楽しむことにします。

(中略

このエクササイズをためした人は、最終的にだいたい次の二つのうちどちらかのパターンに別れます。①楽しいと思っていることを心から味わうようにしたところ、思っていたよりずっと少しの量で満足できることがわかった。②報酬への期待と実際に得た快感があまりにもかけ離れていることがわかり、すっかり幻滅してしまった。いずれの場合も、自分ではコントロールできないと思っていた行動を、以前よりもうまくコントロールできるようになるでしょう。

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大半の「ストレス解消法」は意味がない

ストレスは私たちを間違った方向へ進ませ、思慮分別を失わせ、いたずらな本能のままに動かそうとします。まさに、ストレスとドーパミンのワンツーパンチ。その結果、本当は効果などないのに、原始的な脳が喜びへ至る道だと決めつけた作戦を、私たちは何度も繰り返すことになります。

報酬を期待して息抜き作戦に出ると、とんでもないことをしでかす恐れがあります。ある経済調査では、お金の心配をしている女性は、不安や憂鬱をまぎらわせるために、買い物をしてしまうという結果が出ました。明らかに矛盾していますが、即効の気晴らしを望む脳にとっては、実に理にかなった行動です。

 

根拠のある方法を実行する

大半のストレス解消法は役に立たないとしても、なかには本当に効果があるものもあります。米国心理学会は、もっとも効果的なストレス解消法として、「エクササイズやスポーツをする」「礼拝に出席する」「読書や音楽を楽しむ」「家族や友達と過ごす」「マッサージを受ける」「外へ出て散歩する」「瞑想やヨガを行う」「クリエイティブな趣味の時間を過ごす」などの例を挙げています。(もっとも効果が低い方法は、ギャンブル、タバコ、酒、やけ食い、テレビゲーム、インターネット、テレビや映画を二時間以上観る、などです)

効果のある方法とない方法では、主にどこが違うのでしょうか?

本当に効果のあるストレス解消法は、ドーパミンを放出して報酬を期待させるのではなく、セロトニンやγアミノ酪酸などの気分を高揚させる脳内化学物質や、オキシトシンなどの気分をよくするホルモンを活性化させます。また脳のストレス反応をシャットアウトし、体内のストレスホルモンを減らして治療反応や弛緩(リラクゼーション)反応を起こします。

そのようなストレス解消法を試した場合は、ドーパミンが放出されたときのように興奮したりはしないため、どんなに気分がよくなったか、はっきりとは気づかないことが多いのです。したがって、私たちがそのような効果的なストレス解消法を忘れがちなのは、効果がないからではありません。ストレスを感じているときの脳は、どうすれば気が晴れるかについて正しい判断ができないからです。そのため、確実に気分転換ができる方法を私たちは選ばないことが多いのです。今度ストレスを感じて息抜きをしようと思ったら、「効果的な息抜き方法」を試してみましょう。

 

自分に厳しくしても意志力は強くならない

意志力を強化するには自分にもっと厳しくするしかないと思っているかもしれませんが、そう考えるのはあなただけではありません。しかし、それは間違いです。数々の研究でも明らかになっている通り、自己批判は常にモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招きます。また、自己批判うつ病の最大の予兆であり、うつ状態では「やる力」や「望む力」が失われてしまいます。これに対し、自分への思いやり、自分を励まし、自分に優しくすることは、やる気の向上や自制心の強化に繋がります。

(中略)

自分を許すことで失敗から立ち直れる理由のひとつは、自分を許すことによって恥の意識や苦しみに苛まれることなく、事実をありのままに見つめられるようになることです。どうにでもなれ効果は、失敗したあとに感じる嫌な気持ちから逃れようとする反応ですが、そもそも罪悪感や自己批判に悩まされなければ、逃げる必要もありません。そうすると、どうして失敗したかについて考えるのがずっとラクになり、同じ失敗を繰り返さないようになります。

それとは逆に、自分は何をやってもダメなどうしようもないやつだから失敗したんだ、などと思ったりすれば、自分のことをどんどん嫌いになるだけです。そうすると、失敗から学ぶどころか、自分の苦しみを和らげるだけで精一杯になってしまいます。ですから、自制心を発揮したいと望むなら、自己批判は反って逆効果です。ストレスと同様に自分を追い詰め、近くのバーで憂さ晴らしをしたり、visaカードで買い物をしまくったりといった気晴らしに自分を走らせてしまうだけです。

  

常に「将来の自分」を過大評価している

私たちは未来の自分のことをまるで別人のように捉えています。すっかり理想化してしまい、今の自分の手には負えないことでも、未来の自分ならできるはずだと高をくくります。

そうやって、現在の自分が決めたことで未来の自分に重荷を負わせ、後で辛い思いをすることもあります。たんに未来の自分をわかっていないせいもあるでしょう。未来の自分も今の自分と同じようなことを考えたり感じたりするだろうとは思っていません。つまり、未来の自分を同じ自分だと思えないのです。

 

最後に

将来のことを考えるとき、私たちが陥り勝ちな落とし穴があります。遠い将来の報酬にはあまり現実味がないため、つい目先の欲求を充足させたくなるのです。また、自分がどんなときに誘惑を感じたり、分別をなくしたりするかを予想できず、自分にとって大事な目標の妨げになるようなことを、自らやってしまいます。

もっと賢い決断をするためには、自分の将来のことをよく考え、そのためになることをする必要があります。現在の自分がすることは、将来の自分にそっくり跳ね返ってくることを忘れずにいたいものです。努力しておけば、頑張って本当によかった、といつの日か思えるに違いありません。

 

頭に思い浮かぶことは真実だと思い込む

何かを考えないようにすると、反ってその事が頭から離れなくなります。そして、更なる問題に繋がっていきます。ある考えを頭から追い払おうとして、反ってそれが頭から離れなくなると、「きっと本当のことだからに違いない」と思い込む可能性が高くなるのです。真実でなかったら、こんなに何度も意識にのぼってくるはずがない、と。

私たちは自分の考えることには重要な意味があると信じています。ですから、ある考えがしょっちゅう浮かんで頭から離れなくなると、それは注意を払うべき緊急のメッセージに違いないと思うようになります。人間の脳は、もともとそのような認識をするようです。つまり、ある考えがどれだけすんなり頭に浮かんでくるかによって、私たちは物事が起こる可能性や信憑性を判断しているのです。

 

コントロールしなければコントロールできる

どうしたらこんな悩ましいジレンマから抜け出せるのでしょうか?この「皮肉なリバウンド効果」に対し、ウェグナーは皮肉な解毒剤を提案しています。それは、あきらめること。好ましくない考えや感情をコントロールしようとするのをやめれば、そういった考えや感情に振り回されなくなります。

脳の活性化に関する実験において、参加者が頭の中で考えないようにしていることについて話してもよいと許可された途端、それまで頭にしつこくこびりついていた考えが、あまり意識に上らなくなることが確認されました。矛盾しているようですが、考えてもよいと思ったことは、あまり考えなくなるわけです。

この方法は、さまざまな好ましくない内的体験に向き合う場合にも役に立つことがわかりました。頭に浮かんでくる考えを無理に押さえつけたりせず、感じるがままに感じようと腹を括ることは、ただし、頭に浮かぶことが真実とは限らず、感じた通りに行動する必要はないと理解した上で、不安や憂鬱、異常な食欲、依存症などに対処するのにも効果があります。

 

ダイエットは体重を「増やす」行動

ダイエットをする人の多くが、思考の抑圧は効果的だと勘違いしてしまうのは、食べ物のことを考えないようにすることで、少なくとも最初のうちは、ダイエットがうまくいっているように感じるからだとアースキンは指摘しています。

このように思考の抑圧が効果的だと勘違いするのはダイエット中の人に限ったことではなく、私たちは誰でもこの幻想に騙されてしまいます。ある考えを頭から一時的に追い払うことは可能なので、そうした戦略は基本的に正しいのではないかと思ってしまうのです。

それでも結局、思考や行動をうまくコントロールできないとわかると、私たちはそれを抑圧が足りなかったせいだと勘違いし、抑圧には効果がないのだとは考えません。そのせいで、ますます厳しく思考を抑圧し、さらに酷いリバウンドを経験することになります。