うつ病生活保護受給者のミニマルライフ

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メンヘラナマポおじさんの健康で文化的な最低限度の生活(ミニマルライフ)@welfare_minimal

川上全龍さんの「世界中のトップエリートが集う禅の教室」を読みました

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川上全龍さんの「世界中のトップエリートが集う禅の教室」を読みました。

引用レビューします。

 

はじめに

 世界的に成功している経営者の中にも、実は禅や瞑想を学んだり実践したりしている人はたくさんいます。一番有名なのはアップルのCEOを務めたスティーヴジョブスでしょうか。その他にも、ツイッターの創業者のエヴァンウィリアムズや、世界最大のヘッジファンドの一つであるブリッジウォーターアソシエイツのCEOを務めるレイダリオ、世界有数の医療機器メーカーであるメドトロニックのCEOを務め、今はハーバード大学ビジネススクールの教授をしているビルジョージなどがいます。そもそも春光院で座禅会を始めたのも、ベンチャーキャピタリストとして、インテルゼロックスの創業を支援したマックスパレフスキーが、ロサンゼルスの友人を通じて座禅を体験したいと言って来てくれたことがきっかけでした。

 

 では世界のトップエリートたちはなぜ今、禅や座禅に興味を持ち、実践しようとしているのでしょうか。その背景にあるのは、「マインドフルネス」というものの世界的な流行です。読者の皆さんは、マインドフルネスという言葉をご存じでしょうか?

 マインドフルネスという言葉はまだ新しい言葉で、分野や人によって説明のされ方も様々なのですが、マインドフルネスの提唱者であり、研究の第一人者であるジョンカバットジン博士の定義では、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」です。概して、自分の内面で起こっていることに気付き、それを客観的に見つめ直すことで心のコンディションを調え、より自制心や創造性を発揮しやすい状態を作るエクササイズのことを同時に指します。とりわけ仏教、なかでも上座部仏教禅宗が行ってきた瞑想を、最新の脳科学の知見などを踏まえて現代に合うように作り直した瞑想のトレーニングのことを言います。

(中略)

 マインドフルネスを企業として、人材開発のために、はじめて本格的に研修に取り入れたのがグーグルです。Googleが近年創ったSIY(Search Inside Yourself)という人材研修プログラムは社内外で大きな話題と人気を呼び、グーグルは徐々に社外の人へ向けてもそのプログラムを行うようになっています。その結果、多くの経営者やビジネスマンがマインドフルネスを体験し、その有効性を実感しました。グーグルの活動がきっかけとなり、マインドフルネスは世界のビジネスの領域で、爆発的に広がってきています。それにともない、禅そのものに関する注目度も高まっているのです。

 

西洋人が注目し始めた東洋的な考え

 今までの欧米を中心とした西洋世界は、勤労主義を重視していて、自分を苦しめてでも努力をすることを美徳としていました。プレッシャーに耐えて、懸命に努力してこそ、何かが掴めるのだと言うことです。これはキリスト教、特にプロテスタント的な考え方に親和性があります。19世紀に活躍した「社会学の父」とも呼ばれるマックスウェーバーは、その代表的な著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、プロテスタント的な考え、つまりは自分を追い込んで、苦しみの中で成功を勝ち取ることこそが美徳だという考え方が、近代的な資本主義を駆動させてきたことを論じています。

 これまでの西洋近代的な社会を動かしてきたもうひとつの考え方は、実践主義です。世の中の事象を有益か否かに分け、実利を突き詰めることが善であるという考え方が、20世紀のアメリカの発展を支えてきました。しかし2008年のリーマンショックで、その実践主義が壁にぶち当たりました。その時に、なにか自分達とは違う考え方が必要なのではないかと思う欧米の人たちが増えてきたのです。それで自分達とは違う思想や文化に目を向けるようになり、仏教的な考え方、あるいは東洋的な思想も重要ではないかと考える人たちも生まれます。仏教の思想には、プロテスタント的な思想と相反する部分があります。実践主義によって個別事象の有益さにより行動選択するのではない考え方、つまり、物事は複雑に繋がり、様々な影響を与えていることを受け止める考え方ーー仏教の言葉で言う「空(一如=自も他もない、すべては一つだという考え方)」ーーが求められているのです。

 加えて、ビジネスの性質の変化もあります。先進国の企業のビジネスは、以前のように社員にプレッシャーを与えれば、与えるほど結果が出るというものではなくなっています。「ワークライフバランス」が叫ばれるように、むしろ、働いている人間が精神的にゆとりある状態でなければパフォーマンスも発揮できないし、会社も機能しないという考え方に目が向けられています。そこで人の幸福を重視し、極端な善悪ではなく、中道を重視する考え方が出てきました。経営者が、自分や社員を良い状態に持っていくことで会社もうまく機能していくし、会社を支えている家族やコミュニティともうまく機能していく。これが21世紀の新しいテーマになってきています。マインドフルネスの浸透は、世界がその事に気づき出しているということを意味しています。